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2019.02.21
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プロテスタントの前夜祭とおすすめの葬儀マナーとは?

前夜祭とは?

前夜祭は、プロテスタントにおいて行われます。プロテスタントとは、キリスト教の中の教派の一つで、聖書に重点が置かれていることから聖書主義と呼ばれています。もう一つの代表的な教派は、伝統に重点が置かれているカトリックが挙げられます。

カトリックでは通夜の儀が行われます。キリスト教の中でも様々な教派がありますが、大きくこの二つの教派に分けることができます。元々キリスト教に前夜祭の習慣はありませんでしたが、仏式の際に行われる通夜の習慣に基づき、行われるようになりました。

前夜祭で主に行われる内容は、教会によって違いがあるわけではありませんが、こうしなければならないという明確な規定は設けられていません。また、プロテスタントの葬儀の形式に対するこだわりは、仏式の葬儀や伝統に重点が置かれているカトリックと比べると少ないという特徴があります。

その他の特徴としては、仏式などに比べて祭壇への飾りつけも少なく、簡素に行われる点が挙げられます。この大きな理由として、プロテスタントでは偶像崇拝が禁止されていることが影響しています。偶像崇拝とは人が作ったものに拝むことを指すことから、祭壇を多くの装飾品で飾り付けることにより偶像崇拝へ近づくことを懸念していることが関係しています。

前夜祭の内容とは?

前夜祭は、自宅か教会で納棺式の後に続いて行うことが一般的ですが、納棺式と一緒に行うこともあります。席順は、喪主や親族などの遺族が前方に座り、その他の参列者の席順については特に指定はありません。一般的には聖書箇所の印刷物を事前に準備して配布し、賛美歌を歌ったり、祈りを捧げたり、聖書を朗読したりします。また、牧師による説教や説教の中で故人の思い出を話すこともあります。そして、献花を行います。

仏式の場合は通夜の後には通夜振る舞いが行われることが主流ですが、キリスト教でも前夜祭後に小さな茶話会などが行われることはよくあります。牧師や近しい遺族が一緒にお菓子やお茶を飲んだり食事をとったりしながら、故人の思い出などを語ります。

カトリックで行われる通夜の儀では、遺体を安置する部屋に小さな机を置いて遺影を飾ります。遺影と一緒に十字架や聖水、燭台などを飾り付けます。カトリックの通夜の儀では、聖歌を歌い説教は神父が行います。
このように、キリスト教の中でも教派によって様々な違いがあります。

キリスト教の葬儀マナーについて

服装

キリスト教における葬儀での服装は、仏式と大きな変わりはなく、男性は喪服や黒のスーツなどのダークスーツ、女性は喪服か黒のアンサンブルやワンピースなど一般的な葬儀の際の服装で参列すれば問題はありません。子供は学校の制服があれば制服を、制服がなければ黒や紺などの地味な色の服装で参列します。

カトリックでは正装として、帽子に黒いベールが付いたものをかぶりますが、信者でない場合は特にかぶる必要はありません。派手なアクセサリーなどの装飾品を身に着けることは避けましょう。バッグは光沢のない素材で、黒いシンプルなものを選び、靴も黒でフォーマルなものを履くとよいでしょう。化粧は、色味を抑えてナチュラルで薄めの化粧をしましょう。また、髪が長い場合には、髪飾りなどは避けて一つにまとめましょう。

季節や天候によって、コートや傘が必要な場合もあります。シンプルで地味な色味のものを選択することが大切です。

遺族へかける言葉

仏式の葬儀においては遺族にお悔やみの言葉をかけますが、キリスト教の葬儀においては遺族にお悔やみの言葉をかけません。それは、キリスト教で人が死ぬことにおける概念の違いが関係しています。

宗教に関わらず、大切な人と別れることは遺族にとって悲しいことです。しかし、キリスト教では、死んで天に召されることは神とともに永遠に生きることでもあり、喜ばしいことなのです。そのため、「寂しくなりますね」と遺族の心を慰める言葉や、「安らかに眠られますようにお祈りいたします」など、キリスト教における死に対する考え方を尊重した言葉をかけることが大切です。

声のかけ方に迷う場合は「お知らせいただきありがとうございます」と遺族にお礼を述べるなど、クリスチャンではない場合でも遺族の心に寄り添う気持ちを込めて言葉をかけることが大切です。

御花料

プロテスタントでは、お香典ではなく御花料と書いて持参します。封筒も仏式のときに使用するものとは異なり、十字架や白百合が印刷された封筒を使用します。お香典とは、仏に供える香を持参していた習慣が変化し、香を買う代金を持参するようになったという歴史が背景にあります。

そのため、キリスト教では献花が行われることからも、御花料または献花料と書いて持参します。また、カトリックの場合には、白地の封筒に御ミサ料と書いて持参してもよいでしょう。

御花料は、贈る人自身の年齢や故人との関係性によって包む金額は異なりますが、包む金額は仏式の相場と変わらないため、普段の香典の金額を参考にしてください。御花料を持参する際は、仏式のように袱紗に包んでも特に問題はありませんが、迷う場合には白いハンカチなどに包むことをおすすめします。

キリスト教において、仏式にみられるような香典返しは基本的には行われませんが、日本では香典返しの習慣が根付いていることからも、故人を偲ぶ品を挨拶状と一緒に昇天記念日において送ることも多くあります。

昇天記念日とは、故人がなくなってから一か月後に行われる式典です。その用意する品の金額は、仏式の香典返しと同様に3分の1から半返しが一般的です。

献花

献花とは、前夜祭の中で一般的に白い花を故人に供えることを指します。

献花の作法として、まず会場の係りの人から両手で花を受け取ります。その際、右手で花がついている方を持って茎や根基の方を左手で支えます。次に遺族に一礼してから祭壇まで行きます。祭壇まで来たら一礼をします。そして、花がついている方を自分に向けてから供えます。

その後、黙祷を行います。その際、仏式などのように手を合わせることはせず、黙祷する際、手を組んでもよいですが、クリスチャンでない場合は手を組まずに少しうつむいて祈りを捧げてもよいでしょう。仏式の習慣とはこの点も異なるため、気を付けて黙祷をしましょう。黙祷が終わったら、後ろに下がり遺族や牧師に一礼をします。このような順番で献花を供えましょう。

簡単なようで、慣れていない習慣だと緊張して順序が分からなくなることもあります。この作法も決まったルールが明確にあるわけではないですが、事前に確認してから参列すると焦らず行うことができるため、おすすめです。

キリスト教葬儀で気を付けたいこと

初めてキリスト教での葬儀を行う場合などは、段取りに慣れていなかったり、仏式の葬儀との手順や習慣の違いに戸惑ったり、式の進行や形式に不安や疑問が出てきたりすることもあります。そのため、葬儀に対して疑問や不安なことがある場合には、事前に牧師などに確認や相談をしてから葬儀を進めることが大切です。

また、キリスト教の葬儀に参列する場合には、クリスチャンでない方やキリスト教の葬儀に参列したことがない方は、一般的に行われている仏式の葬儀マナーとの違いから、慣れない賛美歌や祈祷に参加しづらい気持ちになることもあります。

知らない讃美歌や聖歌を無理に歌ったり祈ったりする必要はなく、静聴していれば問題はありませんが、もし知っている讃美歌や聖歌などが歌われた場合には、遺族の心に寄り添う一つの方法として一緒に賛美歌や聖歌を歌ったり祈ったりすることをおすすめします。

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