ペットが亡くなったときにやるべきこと
安置する
家族同様に暮らしていたペットが亡くなったとき、まずはしっかりと安置することを考えましょう。自宅で亡くなったケース、病院で亡くなったケースなどいろいろな状況がありますが、自宅に安置するのが一般的です。
葬儀社を決める前に自宅で安置する方法としては、まず段ボールなどの箱を用意します。箱の中にタオルなどを敷いて、ドライアイスや保冷剤を一緒に入れると、遺体をよい状態で安置できます。
家族の一員として長年可愛がっていたペットなら、ただ単に箱に入れるだけではなく「天使のおくるみ」と呼ばれる商品で遺体を包んであげるなどの配慮も必要でしょう。包む際には、手足が伸びていたら曲げてあげること、目が開いている場合は閉じてあげることが大切です。
葬儀社を決める
自宅に安置したら、すぐにペット専門の葬儀社を探します。人間の場合はお通夜や告別式などがありますが、ペットの葬儀は火葬と同じことを意味します。
今はインターネットで簡単に探すことができるので、最寄りの業者をいくつかピックアップして葬儀費用などを比較して決めてください。近所でペットの葬儀の経験者から情報を教えてもらうのも一つの方法です。またペットを飼っている仲間がいれば、葬儀の情報を普段から共有しておくことも必要でしょう。
安置できる日数
亡くなったペットと一日でも長く一緒にいたい気持ちになるでしょうが、安置できる日数には限りがあります。体重が3~5kgのペットの場合、保冷剤での安置は夏場で1~2日ほど、冬場なら3~4日ほどです。「天使のつばさ」という安置用の棺はペットを真空状態にしておけるので、1週間程度は安置できます。
2日に1回ドライアイスを交換する場合は、夏場で4~7日ほど、冬場で7~10日ほど安置が可能です。安置できる日数を把握しておけば、その間にゆっくりと葬儀社を決めることができます。
ペットの葬儀の手順
葬祭場へ連れていく
ペットの葬儀社と葬儀の日時が決まったら、自宅に安置してあるペットをそのまま車で葬祭場へ連れて行きます。葬儀社によってはペットをお迎えにくるサービスを実施している場合もあります。
ペットの葬祭場は葬儀社によってさまざまです。人里離れた一軒家の庭先に火葬用の竈を設置してあるだけのところもあれば、ペット霊園が併設されている葬祭場もあります。自宅に安置している間に、葬祭場をいろいろと見てから決めると安心できます。
葬儀を行う
葬儀の内容も業者によって違いますので、事前に詳しくチェックする必要があります。家族同様に暮らしてきたペットですから、できれば僧侶に読経していただきたいものです。飼い主によっては自分と同じ宗教(宗派)にこだわる場合もあるので、これも事前に業者に相談しておきましょう。
読経していただける葬祭場なら、お焼香もできるようになっています。自分の宗教(宗派)と同じやり方でお焼香すれば問題ありません。
お別れをする
読経とお焼香が終わると、ペットとのお別れの時間が設けられます。このときにペットが好きだった食べ物や生花などを供物として捧げることができます。遺影として元気な頃の写真なども持参するとよいでしょう。
火葬と納骨
お別れが済んだらいよいよ火葬になりますが、ペットの火葬には3つの方法があります。最も一般的なのは「立会個別火葬」です。飼い主が一緒に火葬場でペットを見送って、火葬後のお骨拾いも飼い主が行います。葬祭場まで行けない場合は、車での訪問ペット火葬が利用できます。
「一任個別火葬」という方法は葬儀社のスタッフに任せるやり方で、飼い主は出棺とお別れまでして火葬には立ち会いません。お骨拾いなどもスタッフに一任します。ペットロスの悲しみが強くお骨拾いができない人などにふさわしい火葬方法です。
「一任合同火葬」という方法もあります。「一任個別火葬」との違いは、火葬を他のペットと合同で行う点です。個別火葬よりも料金が安くなるため、費用を節約したい人に向いています。ただし合同火葬の場合は個別にお骨を返却できないので、手元にお骨を残したい場合は個別火葬を選ぶ必要があります。
ペットの葬儀費用の相場
体重によって料金が決まる
ペットの葬儀社の多くは体重で葬儀費用を決めています。中には身長で大きさを決めたり、ペットの種類によって費用を分けたりする場合もあります。
体重別の料金の目安は、0~1kgが1~2万円で、ハムスターや小鳥などです。1~5kgは1.5~2.5万円で、モルモットや猫や小型犬が該当します。5~20kgは2~4万円で、中型犬などです。20~40kgになると3.5~6万円で、大型犬など、40~60kgでは5~10万円となり、超大型犬などです。
以上は一般的な相場ですので、葬儀社によって料金は変わってきます。体重が重くなるにつれて料金が高くなるのは、火葬に必要な燃料の量や骨壺の大きさが異なるためです。また大きなペットは火葬時間が長くなり、火葬炉が冷めるのに時間がかかります。その分の火葬炉の占有料金が発生するので、料金が高額になるのです。
民間と自治体の違い
人間と違いペットの葬儀には法的な規制がありません。自治体などではペットを一般廃棄物として処理します。葬儀費用がなくて自治体にお願いする場合は、骨が残ることも供養されることもないと知っておきましょう。
ただし、自治体の中にはペット専用の火葬施設がある仙台市のような例もあります。自治体でのペットの火葬費用は引き取りか持ち込みかによって変わってきますが、大体1,000~10,000円程度です。お骨を手元において供養したい場合は、民間の葬儀業者に依頼することになります。
合同火葬と個別火葬
ペットの火葬には合同火葬と個別火葬があります。費用を安くしたい場合は合同火葬を選びますが、お骨が返却されることはありません。自宅にお骨を安置して供養したい場合は個別火葬を選んでください。合同火葬では数体の遺体を一緒に火葬するため、1日か2日に1回まとめて行います。個別火葬に比べると料金は安くなりますが、業者によって異なります。10,000円ほど安くなる場合もあります。
ペットの葬儀社を決めるポイント
火葬施設で決める
ペットの葬儀社を決める場合、どのような火葬施設なのかをチェックすることが重要です。火葬施設がしっかりしている業者はペットとのお別れや僧侶による読経、焼香などきちんとした葬儀を行う所が多いです。
気をつけたいのは火葬施設が自社所有かどうか。業者によっては他社へ火葬を依頼して、仲介だけする所もあります。きちんとペットを供養したいなら、まず火葬施設のチェックから始めましょう。
明確な料金設定になっているか
料金設定が明確でない業者は細かい内訳などは提示しません。アバウトに一括でいくらという料金設定になっています。安心してペットとお別れするには、きちんと見積もりを出してくれる業者を選ぶことです。見積もりも内訳をきちんと表記している業者なら安心して任せることができます。
地域での実績と評判
ペットの葬儀で最も頼りになるのが、地域での実績と評判です。最近はペットを飼っている家が多いので、散歩の途中などで知り合った人にペットの葬儀社の評判などを聞いておきましょう。地域で長く営業している業者なら信頼と実績があります。またホームページで情報発信しているかどうかも、葬儀業者を選ぶときの判断材料になります。
対応が丁寧かどうか
葬儀社を決める前に電話やメールで問い合わせをしますが、そのときの対応が丁寧かどうかも業者を選ぶときのポイントです。電話やメールでの相談というのは、業者の窓口です。そこでの対応が丁寧さを欠いていると、葬儀の内容もそれなりだと思った方がよいでしょう。
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